バンコクを訪れるまで

僕はバンコクに訪れるほんの3日前までオーストラリアで生活をしていました(※参照ワーキングホリデー体験記)。現地では所持金が底をつき、明日の生活を心配する日々を送りました。そんな中、帰国間際まで農場で働き、今回タイ・ラオスを旅行するお金を貯めました。航空券の購入や何やらで、バンコク国際空港に到着した時の所持金は10万円程度でした。21日間の旅行期間に対しては決して十分な資金とは言えませんでしたが、タイとラオスの物価にも助けられ、資金的に追い込まれることなく無事旅行を終えることができました。タイ・ラオス共、とても素敵な国でした。人々は温かくフレンドリーでした。貴重な経験の連続でした。それでは、僕が体験したバンコク発タイ・ラオス21日間の旅のはじまりです!

カオサンロード近郊の寺院郡

タイ・バンコク国際空港~深夜のバンコクカオサンロードへ

バンコク国際空港に到着したとき、時刻は深夜12時を回っていました。暦は11月も終わりを告げる頃、本格的な冬を迎える日本から厚手の長袖をしっかり着込みタイのバンコク国際空港へ降り立った僕は、タイ航空機から一歩外に出たとたんに、もわっという蒸し暑さに襲われました。とてもがまんできずその場に立ち止まり、すぐにTシャツ一枚に衣替えをしました。

つい3日前までは、夏を迎えるオーストラリアのシドニーで生活していたので、地域による気候の差異に強い戸惑いを覚えました。同じ”暑さ”であってもシドニー、日本、バンコクでは全く異なるものでした。

カオサンロード近郊にある寺院

今回の旅もまたノープランでした。僕が購入した格安航空券はタイ・バンコク往復21日間のFIXチケットでしたので、3週間後にここバンコクに戻ってくることを除いて一切が自由でした。予定のない旅行ほど開放感に浸れ、冒険心を駆り立てられるものはありません。それでも、漠然とした旅の道筋だけは思い描いてバンコクにやってきていました。それは、タイ・バンコク→カンボジア→ベトナム→ラオス→タイ・バンコクという東南アジア4カ国を渡り歩く旅でした。しかし、このサイトのタイトルは「バンコク発タイ・ラオス旅行記」です。当初の思いとは裏腹に紆余曲折を経て、結果的にはタイとラオスを周遊する形で旅を終えたのです。

東南アジア4カ国周遊のネックとなったのは旅行期間でした。21日間という旅のスケデュールでは、東南アジア4カ国を渡り歩くのは考えていたよりもずっと難しいことだったのです。ギリギリまで強行を考えましたが、いつからかのんびりと旅を楽しむことに切り替えました。タイ・ラオスでの出会いの数々が僕をそうさせたのです。

出発前唯一計画してきたことは、バンコク国際空港に到着後すぐにカオサンロードに向かうということでした。バンコクのカオサンロードにはゲストハウス(※東南アジアではバックパッカーではなくゲストハウスと呼びます)が密集しており、各国からの旅行者が集まってきます。また、タイ各都市や隣接国へのチケットも安く手に入れることが可能なストリートです。バンコクのカオサンロードは東南アジアを旅する者にとっての始発駅でもあり終着駅でもあるのです。

深夜にも関わらずバンコク国際空港のイミグレーションには長蛇の列ができていました。10数箇所の窓口が開いていましたが、各列50人以上の入国審査待ちの旅行者が並んでいたのです。やっとイミグレーションを通過して荷物を手にした頃、時刻は深夜1時を過ぎていました。あてもなくバンコク国際空港を出ると、タクシーを待つ行列がありました。少し離れたところでは、流しのタクシーが大きな声で呼び込みをしていましたが、正規タクシーでないと大抵料金をぼられます。「こんな時間にカオサンに行ってゲストハウスが取れるかな?」と少し不安になりましたが、バンコク国際空港で一夜を明かす気分にもなれずタクシーを待つ列に加わりました。

バンコクのタクシー運転手には英語もほとんど通じません。何度言ってもこちらの意図が伝わらず乗車拒否に会うこともありました。丁寧な英語を話すより、行きたい地名の単語を一言発した方が通じるようです。

数十分待ってやっと自分の順番が回ってきました。人の良さそうなおじちゃんドライバーだったのでホッとしました。外国人であっても顔つきでどのような人物か大抵判断できるものです。少しでも早くゲストハウスを確保したかったので、有料道路を使い深夜ガラガラになったバンコクの車道をかっ飛ばしてもらいました。タクシーの後部座席車窓から眺めるバンコクの町並みは日本のそれとあまり変わりませんでした。でも、どこか懐かしく温かい世界でした。3日前にオーストラリアでワーホリ仲間と共にいて、昨日は日本で家族といて、今タイのバンコクにいる、そんなことがとても不思議です。

わずか数年前までは、海外というフィールドがどこか遠い別世界のように考えていたものです。でも、今では大変身近な存在であることを知りました。触れ合う人々も人種や国籍、言語は異なりますが決して別世界の住民ではなく、僕らと何ら変わることのない人間だということを知りました。海外を経験することの価値の一つに、こういった心のボーダーがなくなることが挙げられると思います。特に一人で旅行する場合、現地で知り合う人々の協力がなければ、旅を彩ることも、旅を味わい深いものにすることもできません。また自分から積極的に行動を起こさない限り貴重な経験を得ることはできないでしょう。「バンコク発タイ・ラオス旅行記」を通じて、僕が経験した一般の観光旅行では体験できない数々の出来事をあなたに伝えたいと思っています。

境内最奥より撮影してもフレーム納まらない仏像

結局タイ・バンコク国際空港から40分程かかって、目的地のカオサンロードに到着しました。思っていたよりもずっとこじんまりしている模様に、のっけから拍子抜けしてしまいました。娯楽施設や風俗のネオンがひしめき、少し危険な香りがする繁華街を想像していたのです。が、開けてみるとなんてことないお土産屋さんと旅行代理店が立ち並ぶちっぽけなストリートでした。深夜でしたがメインストリートにはセブンイレブンが2店舗とファミリーマートが1店舗営業していました。ここタイにはコンビ二エンスストアが町中に溢れ、なかでもセブンイレブンが目立ちます。数十メートル置きに店舗が並んでいるストリートさえあります。タイは完全に先進国の仲間入りをしたようです。

物価の安さに驚きながら見慣れないフルーツジュースと日本語のバンコク観光ガイドを購入し宿を探すことにしました。もちろんホテルではなくゲストハウス(バックパッカー)です。路上にはホームレスが寝転び、深夜にも関わらず旅行者が談笑をしていました。ふと、薄暗い路地に視線をやると、タイ古式マッサージの小さなネオンが目に飛び込んできました。この時間帯に営業していることにビックリしましたが、ここは部屋貸しもやっているらしくシングル1泊200B(※タイ通貨はバーツです。1B≒3,1円)を支払いチェックインを済ましました。金額うんぬんの話ではなく、ゲストハウスが確保できたことにホッと一息つきました。

シーツもない汗臭いベットの上にゴロッと横になり、しばらくの間先ほどのコンビ二で購入したバンコク観光ガイドを眺めていました。日本からタイ・バンコクまでの移動の疲れも感じていましたが、それ以上の期待が僕を包んでいたのです。翌日の計画も今は何もありません。とにかくこうして僕の21日間のタイ・ラオス周遊の旅がバンコクカオサンロードから幕を開けたのです。

バンコクではどこへ行ってもこのような寺院を見かけます

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